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販売促進とパッケージデザイン事例『受験生の心理を汲み取った、合格祈願パッケージのアイディア』

販売促進とパッケージデザイン事例『受験生の心理を汲み取った、合格祈願パッケージのアイディア』

商品名:TOPPA(TOPPO)
会社名:株式会社ロッテ
キャンペーンURL:http://www.tfm.co.jp/lock/toppa11/

株式会社ロッテは、受験シーズン恒例の限定商品として「TOPPA」を発売しました。これは、同社の定番商品「TOPPO」をもじったもの。「難関をTOPPA(突破)しよう」という受験生への応援の思いが込められています。

パッケージデザインの表面には、桜の花や、「めざせ合格!」と書かれた絵馬のイラストがあしらわれ、裏面には「困難な壁を突破した“TOPPAせんぱい”からの受験生への応援メッセージ」が印刷されています(全6種類)。この裏面のメッセージは、中学生・高校生をメインターゲットとしたラジオ番組『SCHOOL OF LOCK!』がプロデュース。2005年から若年層を対象にコンテンツを作ってきた制作陣が手がけただけあり、受験生の心に刺さるようなメッセージが取り揃えられています。

このキャンペーンにおける販売促進の狙い

受験生向けの合格祈願のお菓子は、販売数を伸ばしやすい

クリスマスやバレンタインデーなど、チョコレート菓子が売れやすくなるシーズンは、年に複数回ありますが、中でも「受験シーズン」は先に挙げたイベントに比べて期間が長いです。よって、合格祈願のお菓子は販売数を伸ばしやすい傾向にあります。実際、あるチョコレート菓子は、受験生応援の取り組みを始めてから、売り上げが2倍以上に拡大したそうです。入試直前はどうしても不安がつきまとうもの。受験生が勉強の合間に立ち寄ったコンビニで「TOPPA」を見つけ、「これを食べて、合格を目指そう!」とゲン担ぎ目的で買うケースは多々あることでしょう。

プレゼントに最適なパッケージデザイン

「TOPPA」は、受験生本人だけでなく、その周囲にいる人たちも買いやすい商品であるといえます。受験生の親が、合格祈願のお守りをプレゼントすると、子どもによっては「重たい……」と思われてしまうことも。しかし「TOPPA」は、ウケ狙いのネーミングも相まって、良い意味で軽い気持ちで受け取ってもらえるのではないでしょうか。

加えて、親が購入するというようなシーンを考えると、普段購入しない層へのアプローチも可能で、新規購入層の獲得にもつながる可能性があります。

また、ラジオ番組『SCHOOL OF LOCK!』とのコラボレーションパッケージであることも、商品に大きな価値を与えています。普段から中学生・高校生を楽しませているラジオ番組が、応援メッセージをプロデュースしているので、受験生としては「自分たちのことをわかってくれている人たちが、応援してくれているんだ」と親近感が湧きやすいと想像されます。要するに、「大人の気持ちの押し付け」になっていないということです。友達から友達といった同世代間でも、プレゼントしやすい商品になっているといえます。

今回のキャンペーンのまとめ

「TOPPA」というインパクトのある商品を買った・受け取った受験生は、翌年、翌々年、そして自分が大人になったときに、後輩や自らの子どもに向けて、合格祈願の気持ちを込めて、「TOPPA」をプレゼントすることもあるでしょう。今回のキャンペーンは、受験生やその周囲の人の心理を巧みに汲み取り、商品に新たな価値を付加し、販売促進を促しているのです。

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