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販売促進とパッケージデザイン事例『特定の小売店のみで展開するオリジナル商品のパッケージアイディア』

販売促進とパッケージデザイン事例『特定の小売店のみで展開するオリジナル商品のパッケージアイディア』

商品名:Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア- ブロンドチョコレートドリンク
会社名:株式会社ローソン
キャンペーンURL:
https://www.lawson.co.jp/lab/campaign/babylonia/

ローソンがアニメ「Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-」とのキャンペーンを11月5日より実施。キャンペーンサイトには企画の内容およびオリジナル商品やグッズのイラストが掲載されています。

今回のキャンペーンのオリジナル商品として、「ブロンドチョコレートドリンク」のほか、グミやLOOKチョコレートをラインナップ。「ブロンドチョコレートドリンク」のデザインは、金色のパッケージにキャラクターをあしらった通常ver.6種とシークレットデザイン1種です。なお、このドリンク自体も本キャンペーンのために発売されたもので、完全にオリジナルの商品となっています。

このキャンペーンにおける販売促進の狙い

個性的なパッケージデザインでSNSの話題を集め、拡散・販売促進が期待できる

アニメキャラクターを中心に据えたデザインには珍しく、ピカピカに光る金一色の配色をしたデザインが特徴的な「ブロンドチョコレートドリンク」。その大胆な色使いはSNSを利用しているファンたちにも注目され、通称「金ピカドリンク」として大きな反響がありました。

さすがにキャンペーン担当者も「金ピカドリンク」と呼ばれることまでは想定してはいなかったと推測されますが、これも映える個性的なカラーリングを行った、パッケージデザインによる訴求・販促効果と思われます。

豊富なバリエーションで、複数店舗間での複数購入を促す

「ブロンドチョコレートドリンク」のそれぞれ異なるキャラクターのイラストを活用した全7種類のデザインは、作品のファンのコレクター心を掴みます。なおかつ、同一店舗には基本的に同じキャラクターのパッケージしか陳列されないようで、全種類集めるために複数店舗回ったファンも少なくなかったのだとか。

今回の事例のように、いくつかの店舗の売り上げアップに貢献できるパッケージデザイン・キャンペーンはほとんどないのではないでしょうか。面白いアイディアだと感じました。

コンビニチェーン1社の独自展開で、レア度を高め販促に繋げる

そもそもキャンペーンは期間限定のもの。それゆえに「今しかない」という特別感がレア度を高め、販促に一役買っています。くわえて今回のキャンペーンはローソンの1社展開ですので、他のコンビニチェーンと一線を画すことになります。「コラボ商品があるから、このコンビニに行こう」と考える消費者はもちろん「朝コーヒーを買うついでに、コラボ商品を買おう」「おやつはコラボ商品にしよう……」という消費者が生まれる可能性もあり、販売促進に効果をもたらしていると推測されます。

店舗ジャック!?超多角的な販促キャンペーンにより、集客効果と購買機会を創出

今回のキャンペーンで最も特徴的なのは、店舗ジャックといっても過言ではないほどの圧倒的な規模です。オリジナルのパッケージデザインの商品とラバーストラップやアクリルスタンドなどのオリジナルアイテムの販売、SNSでの投稿による抽選キャンペーン。くわえて、主演声優が担当したオリジナルの店内放送まで流されていました。さらに特定の商品を一定数購入することでオリジナルグッズが入手できるチャンスもあり、ファンの方にとって垂涎のキャンペーンだったのではないでしょうか。

また、ファンの方以外の消費者も店舗を訪れれば、目・耳を通じてキャンペーンの存在を知ることになります。限定商品やグッズのみならず、アイキャッチになるPOPも存在していましたので、キャンペーンによって商品の購買機会の創出に繋がったと考えられるでしょう。

今回のキャンペーンまとめ

アニメ作品との商品パッケージによるコラボレーションは、珍しいものではなくなってきました。しかし、多くの人が訪れ商品を目にするコンビニにおいての展開は認知度の拡大に一定の効果があります。一方、もともと存在しているファンの方々に作品を通じて商品を訴求できることもメリットです。そして、SNSとアニメは過去のパッケージアイディアの事例から見ても比較的親和性が高いといえます。既に熱量を持っているファンにアプローチできれば、今回の事例のようにSNSで何かしら投稿され続ける状態になるのではないでしょうか。その結果、投稿の多さに比例して販促効果もアップしていきます。

まとめると、
(1)写真映えするパッケージアイディアでSNSでの投稿を促進
(2)複数種のパッケージ展開により複数買いを促進
(3)他のコンビニチェーンにはないキャンペーンの展開によるレア感の演出
(4)大規模コラボを行い、熱量をもったファンと新規顧客にタッチ

新作アニメと商品・小売店のタイアップは、アニメ自体の宣伝効果も期待できる両者にとってメリットの大きいキャンペーンです。中でも視覚的に訴求するパッケージデザインの影響は大きく、非常に重要な役割を担っていると考えられます。このように新作アニメ放映のタイミングなど、年間を通じて様々なイベントと連動させたパッケージデザインが展開していければ、それだけ多くの層へのアプローチを実現できるでしょう。

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