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販売促進とパッケージデザイン事例『YouTuberとのコラボでインパクトを与えるパッケージアイディア』

販売促進とパッケージデザイン事例『YouTuberとのコラボでインパクトを与えるパッケージアイディア』

商品名:ピルクル
会社名:日清ヨーク株式会社

1993年9月23日の発売以来、”思い切りゴクゴク飲める乳酸菌飲料” として多くの人たちに愛飲されている「ピルクル」。2018年は、発売25周年を迎えた記念すべき年でした。おめでたい節目である一方、発売元の日清ヨークは「ピルクル」が「特定保健用食品」であることを伝えきれていなかったなど、反省すべき点がたくさんあると認識しているそうです。

そのため「ピルクル25年目の反省。」をテーマとした特別企画を展開しています。特別企画の第3弾は「感謝が足りないぞ、感謝が! すみません!」企画。2011年に自身のYouTubeチャンネル「HikakinTV」で ピルクルを”世界一おいしい飲み物” と紹介したほどの熱狂的ファン、人気動画クリエイターのHIKAKINとコラボした「HIKAKINパッケージ」を販売しました。

このキャンペーンにおける販売促進の狙い

圧倒的知名度を誇るクリエイターとのコラボで、従来の購買層以外からの認知度を向上させる

HIKAKINは日本で「YouTuber」という言葉を広く浸透させたクリエイターの一人。若年層、とりわけ小学生から絶大な支持を集めていて、握手会の9割は子どもたちとも言われています。

長い歴史を持つピルクルの商品認知度はトップクラスといえるでしょうが、長年愛飲している、いわゆる「固定ファン」の割合が多い側面もあるのではないでしょうか。

継続的に商品の売上を保つためには、新たな購買層へのアプローチが不可欠です。したがって、これからの売上を支える存在(=小学生)に訴求することのできるHIKAKINとのコラボレーションは、新規のファン獲得や継続的に購入してもらうための戦略として、有効なのです。

HIKAKINは、日本トップクラスの動画チャンネル登録者数(680万人超)を持つだけでなく、TVタレントや俳優など、マスに訴求する分野にも進出しています。期待以上の販促効果を生む可能性もあるでしょう。

加えて、エアロスミスとのコラボで注目を集めたことで、海外での知名度も高いので、日本在住の外国の方や外国人旅行客が購入する機会にも繋がるかもしれません。

Youtube動画再生による広告効果が期待できる

今回のコラボ企画では、HIKAKINがピルクルを紹介する「HIKAKINピルクル25周年記念動画」も公開。商品パッケージに印刷されたQRコードからアクセスでき、購入者が手軽に楽しむことができます。

もともと動画の視聴者層である方々はもちろん、ピルクルのパッケージでHIKAKINを知った方も、彼のつくる動画に出会うきっかけになります。なお、Youtubeチャンネル「HikakinTV」からも記念動画へアクセス可能。「動画を見てピルクルを飲みたくなった」「動画を見てキャンペーンを知った」方が商品を購入する流れも当然に生まれると予想されます。

つまり、ピルクルとHIKAKINの一方のファンが、もう一方のファンになるための足がかりになるのです。こうした互いにメリットがある、win-winな関係こそコラボの醍醐味といえるのではないでしょうか。

今回のキャンペーンまとめ

商品パッケージに有名人を起用する目的は、2つあります。ひとつは有名人の知名度を活用して、商品認知度をアップさせること。もうひとつは、好感度の高い有名人の起用により、購買意欲を刺激することです。

なかには、どちらか一方の効果しか期待できないコラボ企画もありますが、今回の事例は、2つの目的が達成できるアイディアだと考えられるでしょう。

また「HIKAKINは熱狂的ピルクルファンである」という事実・認知も広告効果を後押しします。広告のためにファンを装っていると、敏感な消費者に伝わってしまうものです。そうなればマイナスイメージを与えるばかりか、最悪の場合、ブランドの信頼を崩しかねません。

商品の純粋なファンであるHIKAKINの「正直さ」「誠実さ」が、パッケージを通じて商品と企業のブランディングに貢献するのです。

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