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販売促進とパッケージデザイン事例『地域限定商品であることを主張するパッケージのアイディア』

販売促進とパッケージデザイン事例『地域限定商品であることを主張するパッケージのアイディア』

商品名:十六茶 ご当地素材ブレンド
会社名:アサヒ飲料株式会社
キャンペーンURL:http://www.asahiinryo.co.jp/entertainment/campaign/16cha_170530/

アサヒ飲料株式会社は、「十六茶」の地域限定商品である「ご当地素材ブレンド」(全7種類)を、2017年5月30日より数量限定発売しました。

「ご当地素材ブレンド」が発売されるのは、昨年に引き続き2回目となっています。今年も、全国を7地域(北海道、東北、関東・甲信越、中部・北陸、関西、中国・四国、九州・沖縄)に分け、地域で親しまれている特産物をブレンド。各地方で販売されている食品や調味料を調査し、それぞれの地域の嗜好性にあわせた味わいを実現しています。

また、発売と並行して、「地元のイキイキ再発見キャンペーン!」も実施。「ご当地素材ブレンド」を含む対象商品のパッケージに印刷されているマークを集めて応募すると、各地域の特産物の詰め合わせや、地元の旅館の宿泊券などが当たります。

このキャンペーンにおける販売促進の狙い

「希少性の原理」を利用して、消費者に手に取ってもらいやすくしている

リサーチ会社、株式会社バルクが行った調査によると、20~60代の男女のうち、「限定商品」を購入したことがある人の割合は、7割以上であるという結果がでています。

※参考元:「株式会社バルク」「Vol.75 限定商品に関する調査」
https://www.vlcank.com/mr/report/075/

「今、買わないとなくなってしまう」「数が少ないのだから、きっと良いものに違いない」、限定商品を目の前にして、このように感じたことがある読者の方もいるのではないでしょうか?

人は数が少ないものを価値が高いと認識する、このことを経済学の用語で、「希少性の原理」といいます。特にインターネットの発展により、何でも手に入りやすくなった現代においては、そのときだけしか手に入らない限定商品の人気が高まるのも当然といえるでしょう。

「ご当地素材ブレンド」も、「希少性の原理」を利用した、消費者に手に取ってもらいやすい商品なのです。

地域限定商品であることと、商品の質の高さを主張する多様なデザイン

限定商品といっても品質が良くなければ、目の肥えた消費者には選んでもらうのは難しいのも事実。しかし、「ご当地素材ブレンド」は、使用素材にこだわる、地域性に合わせて味を変えるなど、商品のクオリティも高いのが特長です。

商品の質へのこだわりは、ペットボトルのラベルにも反映されています。ご当地素材のイラストが描かれた、風呂敷に包まれているかのようなデザイン。通常の「十六茶」よりも、高級感にあふれています。また、地域によって違う風呂敷の色には、それぞれ思いが込められています。

ちなみに、昨年は以下のようなラインナップとなっていました。

・「北海道」…… ラベンダーをイメージした青紫。
・「東北」…… 復興への願いをこめた黄色。
・「関東・甲信越」…… 爽やかなゆずの香りをイメージした青色。
・「中部・北陸」…… 元気な人々をイメージした赤色。
・「関西」…… 活気あふれる人々をイメージしたオレンジ色。
・「中国・四国」…… 瀬戸内海をイメージしたエメラルドグリーン色。
・「九州・沖縄」…… 甘いさつまいもをイメージしたピンク色。

※出典:「アサヒ飲料・プレスリリース」
https://www.asahiinryo.co.jp/company/newsrelease/2016/pick_0531.html

今年は、「中国・四国」がエメラルドグリーンではなく、水色のような色合いになりましたが、それ以外は昨年と同様のようです。地域・期間限定商品であることと、商品の質の良さを主張するデザインは、販売促進の手助けをしていると考えられます。

今回のキャンペーンのまとめ

アサヒ飲料のプレスリリース 
https://www.asahiinryo.co.jp/company/newsrelease/2017/pick_0524.htmlによると、今年は「他の地域の商品が飲んでみたい」という顧客の声に応えて、「4本アソートパック」も発売するとのこと。「ご当地素材ブレンド」は、限定商品に対する顧客の心理を汲み取ったキャンペーンであるといえるでしょう。

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